2026.11.02研修・育成の選び方

OJTとは?教える人で育ち方が変わる理由と、機能させる3つのこと

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OJTとは?教える人で育ち方が変わる理由と、機能させる3つのこと

新しく入った社員や若手には、「現場で覚えてもらう」。多くの会社が、OJTを育成の中心に置いています。

ところが、同じように現場に配属しても、ある先輩の下ではよく育ち、別の先輩の下ではなかなか育たない。教える人によって育ち方がばらつくことに、悩んでいる社長や上司の方は少なくありません。

この記事では、OJTの意味とOFF-JTとの違いを確認したうえで、OJTがうまくいかない理由と、機能させるために会社がすることを整理します。

OJTとは

OJT(On-the-Job Training)とは、日常の業務に就きながら行われる教育訓練のことです。厚生労働省の「能力開発基本調査」では、直接の上司が、業務の中で作業方法などについて部下に指導することなどが、これにあたるとしています。

これに対して、OFF-JT(Off-the-Job Training)は、仕事を一時的に離れて行う教育訓練のことです。社内の集合研修や、社外の研修機関が行う研修がこれにあたります。

同じ調査では、OJTの中でも「計画的なOJT」を分けて扱っています。教育訓練に関する計画書を作るなどして、教育担当者、対象者、期間、内容を具体的に決め、段階的・継続的に行うOJTのことです。

計画的なOJTを実施している事業所は6割

厚生労働省の「令和7年度 能力開発基本調査」によると、計画的なOJTを正社員に対して実施した事業所は60.6%でした。正社員以外に対しては25.1%です。正社員に対しても、4割ほどの事業所では、計画を立てたOJTが行われていないことになります。

同じ調査で、人材育成に問題があると答えた事業所に、その内容を聞くと、最も多かったのは「指導する人材が不足している」(59.5%)でした。「人材育成を行う時間がない」も45.5%にのぼります。

教える人も時間も足りない中で、OJTは現場に任されがちです。

OJTのメリット

OJTには、OFF-JTにはない良さがあります。

・実務に直結する:今の仕事で使うことを、その場で学べる
・その場で教えられる:つまずいた瞬間に、すぐ手を貸せる
・一人ひとりに合わせられる:本人のできることに合わせて、教える内容を変えられる

だからこそ、多くの会社がOJTを育成の中心に置いています。ただ、この良さは、教える人の力量や余裕にそのまま左右されます。

OJTがうまくいかない3つの理由

InsideSparkでは、OJTで育ち方がばらつくのは、教える人の能力や熱意だけの問題ではないと考えています。多くの場合、次の3つのどれかが欠けています。

計画がなく、教える人によって中身が変わる

計画のないOJTでは、何を、いつまでに、どこまでできるようにするのかが、教える人の頭の中にしかありません。丁寧に段階を踏んで教える先輩もいれば、目の前の仕事を回すことで手一杯の先輩もいる。

同じ「OJT」でも、中身は教える人によって大きく変わります。

教える人が評価者を兼ね、教える人の都合に寄る

OJTでは、教える人が、その部下の評価者を兼ねていることがよくあります。すると、教え方は教える人のやり方や、教える人が管理しやすいやり方に寄っていきます。

部下の側も、評価者には本音を言いにくくなります。

分からないことを分からないと言えず、うまくいかなかったことを隠す。育成の本来の目的から、少しずつずれていきます。

やらせっぱなしで、振り返りがない

「まずはやってみて」と仕事を任せる。ここまではOJTの良さです。

ところが、任せたあとに振り返りがなければ、経験はやりっぱなしのまま積み重なっていきます。

何が効いていて、何が足りなかったのかを本人が言葉にしなければ、次の仕事に生かせません。

経験を学びに変える流れは、経験学習モデルとは?経験しても育たない人に足りない振り返りで詳しく書いています。

OJTを機能させる3つのこと

3つの理由を裏返すと、OJTを機能させるためにすることが見えてきます。

何を、いつまでに、どこまでできるようにするかを決める

計画書と聞くと大げさに感じるかもしれません。

最初は、「3か月後に、この仕事を一人で回せるようにする」のような一文で構いません。

ゴールが言葉になっていれば、教える人が変わっても、目指す先は変わりません。

教える人と、評価する人の役割を分けて考える

教える人と評価する人を、いつも別の人にできるとは限りません。

ただ、教える場面と評価する場面を分けて考えることはできます。

そのうえで、評価者ではない相手と、本音で話せる場を持てるようにする。評価を気にせず話せる場があると、分からないことやうまくいかなかったことが表に出てきます。

振り返りを組み込む

仕事を任せたら、終わったあとに短く振り返る時間を取ります。

このとき上司が答えを言うのではなく、「何が効いていたと思う?」「次に同じ場面が来たら、どうする?」と聞く。本人が自分の言葉で教訓を引き出すことで、経験が次に使える力になります。

InsideSparkは、OJTで学ぶ力の土台を育てる

InsideSparkは、次期リーダー候補の中堅社員に1年間伴走する自律型人材育成プログラムです。

OJTの代わりになるものではありません。業務の知識や仕事のやり方は、これまでどおり現場で教わります。InsideSparkが育てるのは、現場で学ぶための土台です。

・月1回、コーチが企業に伺い、基礎研修を行う
・研修の翌日から次の研修まで、毎日宿題に取り組む。題材は、その日に現場で起きた出来事
・評価者ではないコーチが日報に返信し、学びと仕事をつなぐ
・毎月のグロース・ガイド面談で、受講者の選択の理由を聞き、考えを整理する
・月1回の上司報告会で、研修の内容を上司と共有する

上司報告会は、上司のOJTにも生きています。

受講企業では上司の方が日々の指導の中で、ロジカルシンキングやクリティカルシンキング、メタ思考、具体と抽象、相関と因果といった、研修で扱った言葉を使うようになっています。

上司と部下が同じ言葉で話せると、現場での教え方も振り返り方も揃っていきます。

社内で教えることと外に任せることの線引きは、研修の内製化と外注、どちらを選ぶ?判断の分かれ目と組み合わせ方で整理しています。

この記事のFAQ

OJTがあれば、研修は要らないのではありませんか?

OJTだけで足りる部分もあります。業務の知識や仕事のやり方は、その会社の現場でしか教えられないからです。

一方で、自分で考えて決める力や、経験を振り返って学びに変える力は、どの業務にも共通する土台です。

現場で目の前の仕事を教えながら、この土台まで育てるのは、教える人にとって負担が大きくなります。

OJTで仕事を教え、研修で学び方の土台を育てる。2つは、どちらかを選ぶものではなく、役割を分けて組み合わせるものです。

まとめ

・OJTは、日常の業務に就きながら行われる教育訓練。計画書で担当者・対象者・期間・内容を決めて行うものを、計画的なOJTと呼ぶ
・正社員に計画的なOJTを実施している事業所は6割。教える人も時間も足りない中で、OJTは現場任せになりやすい
・育ち方がばらつくのは、計画がない、教える人が評価者を兼ねる、振り返りがない、のどれかが欠けているから
・ゴールを一文で決め、教える場面と評価する場面を分け、任せたあとに短く振り返る
・OJTで仕事を教え、研修で学び方の土台を育てる。2つは役割を分けて組み合わせる

OJTの良し悪しは、教える人の頑張りだけで決まるものではありません。誰が教えても育つ仕組みがあるかどうかで決まります。

部下の育て方や関わり方に迷ったら、無料の個別相談会でお気軽にご相談ください。

出典
・厚生労働省「令和7年度 能力開発基本調査」の結果(2026年7月31日公表) https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/newpage_00233.html
・厚生労働省「能力開発基本調査」用語の定義(平成20年度調査結果の資料) https://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/06/dl/h0610-1b.pdf

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